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ところ [た行]

「ところ(野老)」とはヤマノイモ科のオニドコロあるいはヒメドコロのことであり、イモ状の塊茎は古くから食用とされ、古事記には登許呂豆良(ところづら)という表記で登場する。野老という漢字表記は長い鬚のような根を持つ塊茎を翁に見立てたとも、海のエビ(海老)対して野のエビと呼んだともいい、いずれにしても後の当て字である。ではそもそも「ところ」とはなんなのだろう。それには諸説あり、その形からトコリ(凝)、食べ方からトクル(溶ける)を語源とするものがあれば、インドネシア語のtongkol(不定形の塊の意)とするものもある(深津1995)。オニドコロの塊茎を食べる習慣は、現在ではわずかに青森県の一部(南部地方)に残っており、アクが強く苦いので木灰をいれた湯で長時間ゆでて食べるそうである。塊説に軍配をあげたい。「ところ」と同じような古くからの食用植物に「いも」、現在のヤマノイモがあり、万葉集に宇毛(うも)という表記で登場する。こちらの語源説には、ウズム(埋)やウマシ(旨)がある(吉田2001)。現代人にとってみれば、オニドコロもヤマノイモも食用となる部分は、どちらも芋だが、古代人にとっては、塊で食べられるものが「ところ」、土に埋もれていて食べられるものが「いも」であったのだろうと想像する。
ところの名を持つ植物は、ヤマノイモ科の7種の他、ユリ科にアマドコロの仲間3種、ナス科にハシリドコロがある。アマドコロは根茎がオニドコロに似ており、食用とする若芽には甘みがある。ハシリドコロも根茎がオニドコロに似ているが有毒植物で食べると錯乱して走り回るという。

<ところを名に持つ植物>
ヤマノイモ科:オニドコロ、ヒメドコロ、シマウチワドコロ、キクバドコロ、カエデドコロ、アケビドコロ、ウチワドコロ、イズドコロ、タチドコロ、ツクシタチドコロ.ユリ科」ヤマアマドコロ、アマドコロ、オオアマドコロ.ナス科:ハシリドコロ.

*深津正、「植物和名語源新考」、八坂書房、1995
*吉田金彦、「語源辞典植物編」、東京堂出版、2001

ハシリドコロ20200411白髭岳.JPG
ハシリドコロ 2020.4.11 白髭岳(奈良県)
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たま [た行]

 「たま」という音を含む名前を持つ植物は50余種ある。その意の多くは「玉(珠、球)」であり、タマシダ(玉羊歯)の塊茎、タマアジサイ(玉紫陽花)の蕾など、植物体のどこかが丸い形を有していることが由来となっている。シラタマホシクサノの白玉、ミズタマソウの水玉など玉を含む熟語の例もあり、クスダマツメクサが薬玉なら1)、ネムロブシダマは附子玉つまり毒の玉である2)。モダマ(藻玉)は丸い種子が海藻とともに漂着するとかいう。
 丸くない「タマ」としては、地名に由来するものがあり、タマノカンアオイの「多摩」、オクタマゼンマイの「奥多摩」は産地を示す。黄色い花を咲かせるタマガワホトトギスの「玉川」は、ヤマブキの名所として知られる京都府井出町の玉川のことで、玉川の名を借りて黄花の意味を表現しているという3)。モモタマナは「玉菜」でキャベツのような葉っぱから、そしてオガタマノキは「招霊の木」で神道の招霊(おぎたま)が転化したものだという。

1)「やく」の記事参照.2)「ぶし」の記事参照.3) 牧野植物図鑑より.

<どこかが丸いのでタマ>
【玉】ジュズダマ、オニジュズダマ、タマシダ、ヤンバルタマシダ、イヌタマシダ、アイイヌタマシダ、タマカラマツ、タマアジサイ、タマツナギ、タマミズキ、ヒロハタマミズキ、ウスゲタマブキ、タマブキ、ハマタマボウキ、タマボウキ、タマコウガイゼキショウ、タマイ、タマミゾイチゴツナギ、タマミクリ、ホソバタマミクリ、タマツリスゲ、ヒロハノオオタマツリスゲ、オオタマツリスゲ、タマガヤツリ、クロタマガヤツリ、【玉咲】タマザキツヅラフジ、タマザキゴウカン、タマザキヤマビワソウ、タマザキエビネ、【玉葉】タマバシロヨメナ、【白玉】シラタマノキ、オオシラタマカズラ、シラタマカズラ、シラタマホシクサ、オオシラタマホシ、【水玉】ミズタマソウ、ヒロハミズタマソウ、【薬玉】クスダマツメクサ、【附子玉】クサネムロブシダマ、【藻玉】モダマ、ムニンモダマ
<どこも丸くないのにタマ>
【多摩】オクタマツリスゲ、オクタマゼンマイ、オクタマシダ、オクタマハギ、【玉川】タマガワホトトギス、【玉菜】モモタマナ、テリハモモタマナ、【招霊】オガタマノキ、ホソバオガタマノキ、ヒロハオガタマノキ、タイワンオガタマ、オオバナオガタマノキ

ミズタマソウ20120901赤目四十八滝.JPG
ミズタマソウ 2012. 9. 1 赤目四十八滝
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てばこ [た行]

 手箱(てばこ)とは手回りの小道具や化粧道具などを入れておく箱のこと。浦島太郎の玉手箱は、玉(宝石)のような大事な物を入れる小箱か、それとも宝石のように飾られた美しい小箱のことか。どちらともとれるが、我々が博物館で目にする小箱は、みな螺鈿や蒔絵などの装飾が施された美しい工芸品である。手箱の名を持つ植物に、テバコモミジガサ、テバコマンテマ、テバコワラビがある。さぞ美しい姿の植物かと言えばさにあらず。名前の由来は最初の発見地の手箱山(高知県)にある。ならば、手箱山が美しき山かと言えば、普通に美しい山とは思うが、高知県地域観光課のサイトには「山容や山頂らしさに欠けるが、高知県側から見ると文箱をかざしたような端正な頂稜をもつ。」とあり、山らしくない平たい形がその由来のようである。

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テバコモミジガサ 2021. 8. 16 和歌山県護摩壇山

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どうだん [た行]

 ドウダンツツジの「どうだん」は、「とうだい(灯台)」が転訛したものである。この灯台は岬に建つ航路標識ではなく、皿に油を入れ、灯芯を付けて火を着けた灯(ともしび)を置いた台のことである。灯台にも様々な形があるが、ドウダンツツジの語源となったものは、結び灯台と呼ばれるもので、3本の木の中ほどを紐で結び、三脚のように開いて立て、上側にできる小さな逆三脚(Ψ)の部分に皿を乗せた。冬になって葉を落とし、あらわになったドウダンツツジの三又になった枝先が名の由来とされる。実際のドウダンツツジの枝先は3から5本に枝分かれし、長さも不揃いだが、中にはきれいに揃った三又もあり、なるほどと思う。ドウダンツツジ属には10種のドウダンがある。とうだい(灯台)が転訛せずそのまま名前となったものにトウダイグサがあり、花托の形が皿状であることが由来とされている。トウダイグサ属には6種のトウダイがある。灯台は照明器具としては原初的なもので、その後覆いが付けられて屋内用には行燈(あんどん)、屋外用には灯籠が生まれ、ロウソクが使われるようになると灯台は燭台(しょくだい)になり、携帯用に提灯(ちょうちん)が発明される。植物にもそれぞれ、アンドンマユミ、トウロウソウ(セイロンベンケイ)、タヌキノショクダイ、チョウチンマユミがある。また灯やロウソクの灯芯にはイグサ(藺草)のスポンジ状の髄が使われたためイグサはトウシンソウとも呼ばれる。

<灯りにちなんだ名前を持つ植物>
灯台(どうだん・とうだい):ドウダンツツジ、シロドウダン、ベニドウダン、サラサドウダン、ツクシドウダン、チチブドウダン、ヒロハドウダンツツシ、ベニサラサドウダン、ウラジロサラサドウダン、カイナンサラサドウダン、トウダイグサ、タカトウダイ、ナツトウダイ、イズナツトウダイ、ヒメナツトウダイ、ナンゴクナツトウダイ.行燈(あんどん):アンドンマユミ.灯籠(とうろう):トウロウソウ(セイロンベンケイ).燭台(しょくだい):タヌキノショクダイ.提灯(チョウチン):チョウチンマユミ.灯芯(とうしん): トウシンソウ(イグサ).

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ベニドウダン 2014..5.23 京都府南山城村童仙房

つの [た行]

 角といえば、鹿の角、牛の角。カブトムシやカタツムリにもそう呼ばれるものはあるが、元々は獣のもの。架空の生き物に付けられることもあって、日本では鬼の頭には牛の角が、西洋では悪魔のあたまに山羊の角が生えている。植物にあるかといえば、棘はあっても角はないが、角にみたてられる部位があって、わずかではあるが、角を名前に持つものがある。なお、角があるから「オニ・・・」とか「ウシ・・・」という植物はない。
 まずはツノハシバミ(角榛)、その実には一本の角がある。次にイワタバコ科のツノギリソウ(角桐草)、この植物の学名はHemiboea bicornutaで、bicornuta は2つの角があるという意味だが、どこにも角が見当たらない。2つ着けることが多い白い筒型の花を指しているのかと思う。日本在来種はこれだけである。
 帰化種はやや増加傾向で、環境省リスト(1988)にはツノキビ、日本帰化植物写真図鑑(全国農村教育協会2001)にはツノアイアシ、ツノミチョウセンアサガオ、ツノミナズナの記載があるが、同第2巻(2010)にはツノゴマ、ツノナシビシ、ツノミオランダフウロなどが加わっている。角無し菱以外はどこかに角があるはずだ。

<角みたいなものがある?植物>
在来:ツノハシバミ、コツノハシバミ、オオバツノハシバミ、ツノギリソウ.外来:ツノキビ、ツノアイアシ、ツノミチョウセンアサガオ、ツノミナズナ、ツノゴマ、キバナツノゴマ、ツノナシビシ、ツノミオランダフウロ.

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ツノハシバミ 2014.9.11 大和葛城山

ていしょう [た行]

 テイショウソウの「ていしょう」は「禎祥」。禎は「めでたいしるし」、祥も「めでたいこと、きざし」の意味を持っており、禎祥は吉兆を意味する。目にすることがない熟語だが、司馬遷が記した中国の歴史書である『史記』に用例を見ることができる。史記は130巻に及ぶ大作だが、まずは巻50楚元王世家にある記述、
太史公曰、國之將興、必有禎祥 【太史公いわく、国のまさに興らんとするや、必ず禎祥あり】
 古代中国では、国を興し王となるものは、天から選ばれた者なので、必ずその前兆が現れると考えられた。この前兆はどのように現れるのか。それは占いに現れるのである。そして古代日本でも古代中国でも亀の甲羅を火にあぶり、ひびの入り方を読む亀卜が行われた。史記には亀卜について記述した巻もあり、その巻128 亀策列傳にも、次のように禎祥が登場する。
自三代之興各據禎祥・・・・断以蓍亀不易之道也 【(夏・殷・周)三代より、それぞれの興りは、禎祥がよりどころとなった。・・・・蓍亀(占い)を以て判断するのは変わることのない道である。】
 テイショウソウの葉は亀のお腹の側の甲羅(腹甲)に形が似ている。この葉には濃淡模様があるが、この模様が亀卜の亀裂、しかも吉兆を表しているということか。

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テイショウソウ 2014.9.27 岩湧山

たばこ [た行]

 煙草(たばこ)の煙を吸引する吸いタバコは、すでにマヤ文明に存在していた。最初に煙草を見たヨーロッパ人は、1492年に西インド諸島に到達したコロンブスの一行であり、日本へはヨーロッパを経て、鉄砲伝来後(1543)の南蛮貿易で渡来した。だから「たばこ」はポルトガル語のtabacoからきた外来語である。煙草の原料となる栽培植物のタバコNicotiana tabacumは、ナス科タバコ属(Nicotiana)の一年草であり、栽培種の原種と考えられるものは南米に存在する。日本でのタバコ栽培は、江戸時代の初期から始まり、日本人の喫煙の習慣はまたたくまに全国に広がる。日本の野生植物で「たばこ」という名を持つものは、タバコの仲間ではなく、タバコに似た葉を持っているために付けられた。イワタバコ、ヤブタバコ、ヤマタバコと、これらの近縁種である。今では禁煙の勧めがとかくうるさいが、喫煙はひとつの文化を形成したともいえ、吸煙具の煙管(きせる)に因んだ名前を持つ植物としてガンクビソウやナンバンギセルなどがある。

<たばこを名に持つ植物>
イワタバコ、シロバナイワタバコ、ケイワタバコ、タイワンイワタバコ、ヤブタバコ、コヤブタバコ、ミヤマヤブタバコ、ヤマタバコ、ミチノクヤマタバコ

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イワタバコ 2012.9.1 三重県名張市赤目四十八滝

たんな [た行]

 タンナヤブマオ、タンナトリカブト、タンナサワフタギ、タンナヤマジソ、タンナヤマハハコ、タンナアカツツジ、タンナチョウセンヤマツツジなどの「たんな」は、韓国の済州島の古名「耽羅(たんな)」を意味するものである。耽羅は済州島の古代王国であり、15世紀初めに李氏朝鮮に併合されるまで存続した。「たんな」の名を持つ植物は済州島から九州、西日本までを生育地としていたのではと思われるが、今では日本ではごく限られた地域にだけ生育する希少種となっているものもある。済州島は朝鮮半島に比べれば温暖な気候であり、朝鮮半島に分布がないか、あるいは少ないので、冒頭の植物は、「チョウセン**」ではなく「タンナ**」と名付けられたのだろう。そういうことならタンナチョウセンヤマツツジという命名はなんともセンスが悪い。「たんな」を「丹那」と漢字表記する図鑑もあるが、音が同じ当て字と考えるべきだろう。「サイシュウトウ**」ではなく「タンナ**」とするのは、そのほうが奥ゆかしいからだろうか。野生蘭の大家にして山野草栽培の巨匠、鈴木吉五郎翁は、昭和10年に、済州島の山頂の岩場に産するツツジを、朝鮮の李王家の植物園から譲り受け、交互交配を重ねて「タンナゲンカイツツジ」を作出した、この名は鈴木翁の命名によるものである。
文献:合田隆行:山野草偉人伝-草匠の譜、山野草とミニ盆栽、53号、pp.36-37、2003.

タンナサワフタギ20130623金剛山.jpg
タンナサワフタギ 2013.6.23 金剛山

ちゃひき [た行]

 チャヒキを名乗る植物を環境省のリストからピックアップすると16種類ある。しかし、その中には元祖チャヒキの姿が見当たらない。チャヒキ達の名の元になったのはチャヒキグサなのだが、今ではその標準和名はカラスムギとなっている。「ちゃひき」は、お茶の葉を茶臼で挽いて抹茶にする「茶挽」のことであり、客の付かなかった暇な遊女はこれをやらされたとか。チャヒキグサの名前の由来は、山渓の『野に咲く花』には、「小穂に油をつけ、ウリの上にのせて息を吹きかけると茶臼をひくように回ることから」とある。妙に詳しいがなぜ回す必要があるかわからない。出典があるに違いないと思い、牧野の新日本植物図鑑を見ると、「子供がその穂を採り、油をつけてうりの上にのせ、吹けば茶を挽くように廻るので」とある。なるほど子供の遊びかと納得。しかし、油もうりも用意するのは面倒だ。気になるので古い牧野の図鑑も見てみると、「小兒其穗ヲ棌リ唾ヲ付ケシ爪ノ上ニ載セ之レヲ口ニテ吹ケバ茶臼ヲ挽ク如ク囘旋スルヲ以テ斯ク云ウ」とある。もともと‘油’は‘唾’で、‘うり’は‘つめ’であったようだ。試してみる。何とか回った。

[チャヒキの付く植物]
チャヒキグサ(カラスムギ)、アレチチャヒキ、ムクゲチャヒキ、オニチャヒキ、コスズメノチャヒキ、スズメノチャヒキ、オオチャヒキ、ハトノチャヒキ、ハマチャヒキ、ヒバリノチャヒキ、ヒゲナガスズメノチャヒキ、チャボチャヒキ、カラスノチャヒキ、アレチノチャヒキ、ウマノチャヒキ、クシロチャヒキ、ミサヤマチャヒキ

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チャヒキグサ(カラスムギ) 2014.4.23 堺市

ていか [た行]

 テイカカズラの「ていか」は、鎌倉時代初期の歌人であり、小倉百人一種の選者として知られる藤原定家(1162~1241)の「ていか」である。テイカカズラは、古くはマサキノカズラという名で古事記に登場し、平安時代の本草書「本草和名」には漢名の「絡石」で記載されている。この絡石にテイカカズラという和名があてられるようになったのは江戸時代のことで、その由来は、室町時代に作られた謡曲「定家」である。以下「定家」のあらすじ。
 北国からの旅の僧が、京に入ったところでにわか雨に会い、古い庵で雨宿りをする。そこに墓参りに行くという里の女が現れ、庵が定家ゆかりの時雨の亭であるといい、墓に絡まるかずらの供養をしてほしいという。墓は式子内親王のものであり、かずらは定家の式子内親王への妄執が葛となったもので、刈り取ってもすぐにもとに戻るという。実は、里の女は式子内親王の亡霊で、葛は僧の供養により一時は墓から離れるのだが、またもとへと戻っていく。
 式子内親王(1149~1201)は後白河天皇の娘で、女流歌人である。定家との歌人としての交流は知られるところだが、恋仲であったかは、史実として確認されるものではない。謡曲「定家」の作者、金春禅竹(1405~1471)の創作であるが、幽玄で深遠な能楽の傑作は、ひとつの植物の名を決定するに至る。

[テイカカズラ、チョウセンテイカカズラ、リュウキュウテイカカズラ、ムニンテイカカズラ、ケテイカカズラ]

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テイカカズラ 2008.6.15 愛知県南知多町羽豆岬

どく [た行]

 人間や家畜に害を与える有毒植物は数多いが、「どく(毒)」を付けて呼ばれる植物はほんのわずかである。その中で人の誤食による中毒が問題とされるものにドクゼリ、ドクニンジン、ドクウツギがある。ドクゼリは食用のセリと葉の形がそっくりのため誤食事故が後を絶たない。ドクニンジンはヨーロッパ原産の帰化植物で北海道のほか本州の数県で分布が確認されている。ドクニンジンの毒は、古代ギリシャの哲人ソクラテスの死刑に用いられた毒として知られる。山菜のシャクと間違えての誤食事故が発生している。ドクウツギの実は甘くておいしいらしく子供の誤食事故が多い。これらの植物は毒と呼ぶことで誤食への警告を発しているといえる。ドクムギは聖書にも出てくる有害植物で日本に帰化している。ドクムギの場合は人が食べることはないが、ドクムギ内部の共生細菌が生成する毒物により家畜が中毒を起こす。
 一方、ドクダミ、ハエドクソウは、有用植物で(使いようによっては毒にもなるだろうが・・・)、ドクダミは解毒の民間薬として知られる薬草で、その名は「毒矯み」(毒を矯正する)から来ているという説がある。ハエドクソウは「蛆殺し」とも言われその殺虫効果から「蝿取り紙」の材料ともなった。ツルドクダミは江戸時代に薬草として中国から持ち込まれたもので今では関東以西に帰化している。タデ科の植物だがドクダミ科のドクダミと姿が似ていることからこの名が付いた。

※「どく」の付く植物
 ツルドクダミ(帰化)、ドクダミ、ドクウツギ、ドクゼリ、ドクニンジン(帰化)、ハエドクソウ、ナガハハエドクソウ、
 ドクムギ(帰化)、ノゲナシドクムギ(帰化)

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ドクダミ 2013.6.8 和歌山県橋本市

たびらこ [た行]

  標準和名としてタビラコという植物はないが、コオニタビラコ(キク科)とキュウリグサ(ムラサキ科)は、かつてはともにタビラコと呼ばれていた。しかし、同じ名前というわけにはいかないので、別の名で呼び分けられることになった。キク科にはこの他に~タビラコというものが4種あり、タビラコに対し大型のオニタビラコの名が生まれ、キュウリグサとの区別の関係からコオニタビラコという逆戻りの呼び名が生まれたようである。一方、キュウリグサはタビラコと縁が切れたが、同属のミズタビラコ、コシジタビラコにはその名が残っている。
  さて、この「たびらこ」だが、多くの図鑑では、「田平子」と表記して、田んぼや畔に平べったく生えているからと説明されている。コオニタビラコもキュウリグサも冬越しのロゼット葉を見ると確かに平たく地面に張り付いている。しかし、基本的にロゼットは平たいものだろう。さらに「子」は何かといえば、「どじょっこ、ふなっこ」の秋田訛りの「こ」であるという。秋田県出身の筆者としてはどうも納得がいかない。悩みながら両方のロゼットの写真を眺めていたら、葉のひとつひとつが、小さな魚に似ていることに気が付いた。そうだ、これはタビラの子だ。淡水魚タナゴの仲間にタビラとよばれる種群がある。タビラ(田平)は、その名の通り、田んぼ周辺に生息する平べったい魚で、成魚でも10cmほどの小魚である。「どじょっこ、ふなっこ、たびらっこ」、これなら秋田県民も納得である。

※「たびらこ」という植物
キク科:コオニタビラコ(別名:タビラコ)、ヤブタビラコ、オニヤブタビラコ、ヒメキクタビラコ、オニタビラコ.
ムラサキ科:キュウリグサ(別名:タビラコ)、ミズタビラコ、コシジタビラコ.

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コオニタビラコ 2003.4.6 神奈川県八菅山

てり [た行]

  「てり」は照り焼きの照り。植物の葉の表面にはクチクラ層という透明な層があって乾燥などから身を守っている。乾燥地や海岸に適応した種ではクチクラ層が発達して葉っぱが光沢を帯びていることが多い。植物の名前では、葉が照らない内陸のものに対し、照りがある海岸のものに「てりは(照葉)」をつけたものがいくつかある。代表的なものとしてはノイバラに対するテリハノイバラがあげられる。ただし「てりは」がつくものがすべて海岸性というわけではない。
  照る部分が葉ではなく実の場合は「てりみ(照実)」というわけだが、これは帰化植物のテリミノイヌホオズキただ1種のみである。照り色に青みを帯びると「こんてり(紺照)」となりコンテリギ(ガクウツギの別名)の仲間や、帰化植物のコンテリクラマゴケがある。
  葉の光沢を表現する用語としては、ほかに「つや(艶)」があるが、つやのある植物には「つや」はついておらず、つやのない植物に「つやなし」の形で使われている(ツヤナシイノデ、アイツヤナシイノデ)。また「つや」が変化したものと考えられるのが艶のあるフキのツワブキである。さらには、ツバキ(椿)の語源を「つやばき(艶葉木)」が変化したものという説がある。

<照りがある植物>
照葉:テリハサルコ、テリハコナラ、テリハニレ、テリハオヒョウ、エゾノテリハオヒョウ、テリハコブガシ、テリハボク、テリハアカショウマ、テリハイワガラミ、テリハキンバイ、テリハノイバラ、トゲナシテリハノイバラ、リュウキュウテリハノイバラ、テリハニシキソウ、テリバザンショウ、テリハツルウメモドキ、テリハノブドウ、テリハハマボウ、テリハタチツボスミレ、テリハモモタマナ、テリハオオバコ、テリハニンドウ、テリハコバノガマズミ、テリハアザミ。照実:テリミノイヌホオズキ。紺照:コンテリクラマゴケ、コンテリギ(ガクウツギ)、カラコンテリギ、ヤエヤマコンテリギ、リュウキュウコンテリギ。

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テリハノイバラ 2010.6.12. 南知多町

で(て) [た行]

 カエデ、ヤツデ、イノデの「で」は「手」の意味である。
 Acer(カエデ)属の総称のカエデは、切れ込みのある掌状の葉の形を、蛙の手に見立てた「かえるで」が転訛したものとされる。「モミジ(紅葉)」が、葉の色から付いた名前であるのに対して、葉の形に由来する名前である。環境庁のリスト(1988)では、Acer属55種中30種にカエデが付き、モミジが付くのは8種しかない。カエデの一種にミツデカエデというものがある。この「ミツデ」は「三つ手」で葉が三出複葉であることによる。「ミツデ」は、ほかに葉が3裂しているもの(ミツデウラボシ、リュウキュウミツデウラボシ)や、葉が地表に三出するもの(ミツデヘラシダ)などに使われている。
 ウコギ科の低木のヤツデは「八つ手」であり、文字通りとらえれば葉が8裂するということになるが、実際は奇数になるので7裂か9裂になる。ヤツデ、リュウキュウヤツデ、ムニンヤツデのほか、キク科に葉の形が似ているクサヤツデがある。
 オシダ科のイノデは「猪の手」の意味で、褐色の鱗片に覆われた芽生えの状態からきたものだろう。イノデという名の付くシダ類は50数種を数える。
 これらの他に「手」と解釈されるものに、コノテガシワの「コノテ」がある。ヒノキ科のコノテガシワは、中国原産だが古い時代に渡来した樹木で庭木としてよく使われている。このコノテは「児の手」の意味で、垂直に広がる枝葉を子供が手のひらを立てたところに見立てたといわれる。

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ヤツデ 2012.2.11 堺市

だいこん [た行]

  アブラナ科の野菜、ダイコン(大根)は、とても古くからある野菜で、古事記や日本書紀に、既に「おほね」として登場している。記紀では、於朋泥、淤富泥、意富泥などと表記されているが、やがて大根(おおね)と表記されるようになり、ダイコンと呼ばれることになる。
  ダイコンの名が付く植物はアブラナ科、バラ科、キク科にあり、アブラナ科には、ハナダイコンとハマダイコンがある。ハナダイコンは、別名、オオアラセイトウ、ショカツサイとも呼ばれるもので、江戸時代に観賞用に導入されたものだが、現在では、帰化植物となって広く繁殖している。ハマダイコンは海岸の野生植物だが、野菜のダイコンが野生化したものと考えられている。
  バラ科には、ダイコンソウとその仲間があり、根生葉が野菜のダイコンの葉に似るからという。オオダイコンソウ(大大根草)というものがあり、さぞかし大きい大根が採れそうだが、そんなことはない。キク科にはヌマダイコン、オカダイコンがあり、やはりダイコンに葉が似ているからという。
  話しを戻して、古事記に登場する大根は、仁徳天皇の歌に現れ、白く美しい女性の腕の形容として用いられている。今では太い女性の足の形容となっている大根、昔は細かったのか、それとも女性の腕が太かったのか。

<だいこんの名を持つ植物>
アブラナ科:ハナダイコン(帰化)、ハマダイコン。バラ科:オオダイコンソウ、ミヤマダイコンソウ、ダイコンソウ、コダイコンソウ、カラフトダイコンソウ。キク科:ヌマダイコン、オカダイコン。

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ハマダイコン2011.6.8 大阪府阪南市

つめ [た行]

  「ツメ」が付く植物は環境庁の植物リストには34種の記載がある。うち27種はツメクサという名前を持った植物である。ツメクサはナデシコ科の草本で、小さな細い葉が鳥の足爪のようである。ナデシコ科には他に22種のツメクサがあり、これらは皆「爪草」である。同じ理由でツメがついたと思われるものに、スベリヒユ科のケツメクサ(帰化)、ベンケイソウ科のアズマツメクサがあげられる。
  残る2種のツメクサは、クローバーと呼ばれるマメ科シャジクソウ(Trifolium)属のシロツメクサとムラサキツメクサ(アカツメクサ)、どちらも帰化植物である。シロツメクサは、江戸時代にオランダ国から徳川将軍に献上されたガラス製品の箱につめられていたという記録が残っている。ムラサキツメクも明治の初め頃に欧州からの貨物の包装材として渡来したといわれており、これらは「詰草」である。帰化植物の図鑑には、これらの他にも同属のクスダマツメクサ、コメツブツメクサ、ツメクサダマシ、ダンゴツメクサ、ベニバナツメクサ(クリムソンクローバー)が記載されており、詰め物としての実績は不明だがこれらは詰草である。
  爪草と詰草以外の「つめ」は何だろう。スミレの仲間のキバナのコマノツメは葉の形が馬の蹄に似ているから。タカノツメは湾曲する冬芽の形が鷹の爪のよう。タツノツメガヤの花はまさしく絵に描かれる龍の手に見える。多肉植物のツメレンゲの葉は何とは特定できないが獣の爪の形。カノツメソウは、未確認だが根の形が鹿の蹄に似ているとのこと。しかしオギノツメは何だろう。「荻の爪」と漢字では表記されるようだ。水辺の植物なのでオギとも混生すると思うが、オギと混じるとその葉が爪のように見えるのであろうか。

<名前にツメが付く植物(環境庁リスト1988)>
アポイツメクサ、キタノハマツメクサ、エゾタカネツメクサ、タカネツメクサ、ミヤマツメクサ、エゾミヤマツメクサ、ホソバツメクサ、イトツメクサ、ツメクサ、ハマツメクサ、エゾハマツメクサ、アライトツメクサ、チシマツメクサ、ノハラツメクサ、オオツメクサモドキ、オオツメクサ、ウシオツメクサ、ウスベニツメクサ、ナガバツメクサ、イワツメクサ、オオイワツメクサ、エゾイワツメクサ/ムラサキツメクサ、シロツメクサ/キバナノコマノツメ、アカイシキバナノコマノツメ/チャボツメレンゲ、ツメレンゲ、アズマツメクサ/ケツメクサ/タカノツメ/カノツメソウ/オギノツメ/タツノツメガヤ。
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コメツブツメクサ 2007.4.5 岐阜県可児市
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ハマツメクサ 2008.5.6 愛知県南知多町

つぼ [た行]

  「つぼ」が「坪」であるのか、それとも「壺」であるのか、それが問題だ。「坪」は土地面積の単位であるが、建物や垣で囲まれた一区画の土地を指す。中庭の意もあり、小さな中庭を指して坪庭という言葉もある。転じて宮中の部屋を意味するが、源氏物語では桐壺と「壺」の字を使うのでややこしい。植物名に坪がつけば、「庭に生える」という意味に解釈したい。一方、「壺」は、底と口がすぼまった入れ物のこと。花や葉の形が似ているので名前になるのは、植物名ではよくあるパターンである。
 さて、「つぼ」が付く植物は全部で27種。スミレ科が最大派閥で20種あり、うち18種がタチツボスミレの仲間、2種がツボスミレ(別名:ニョイスミレ)の仲間である。そして、これらの「つぼ」は「坪」と判定される。スミレの多くは本来、人里の植物であり、昔は庭先に咲いたであろうことは容易に想像できる。タチツボスミレは現在でも、里地で最も目にすることの多いスミレであり、牧野富太郎によればツボスミレとは本来タチツボスミレを指したという。
次なる派閥は、ゴマノハグサ科のヒナノウスツボの仲間で5種ある。ヒナノウスツボは壺状の花を付けるので、この「つぼ」は「壺」と思われる。ただし「ウスツボ(臼壺?)」の意味はわからない。
  そして残りが、セリ科のツボクサの仲間2種である。ツボクサには、どこにも壺を思わせる形のものはないので、消去法では「坪」となるが、この草が庭にあるのは見たことがない。ツボクサの「つぼ」が「坪」であるのか、それとも「壺」であるのか、それが問題だ。

[スミレ科:エゾノタチツボスミレ、ケナシエゾノタチツボスミレ、テリハタチツボスミレ、ツルタチツボスミレ、タチツボスミレ、コタチツボスミレ、イソタチツボスミレ、ケタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、オオタチツボスミレ、ケオオタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、ケナシニオイタチツボスミレ、ナガバタチツボスミレ、ケナガバタチツボスミレ、アイヌタチツボスミレ、アポイタチツボスミレ、イワマタチツボスミレ、ツボスミレ、ミヤマツボスミレ。セリ科:ツボクサ、アツバツボクサ。ゴマノハグサ科:ヒナノウスツボ、エゾヒナノウスツボ、ハマヒナノウスツボ、オオヒナノウスツボ、サツキヒナノウスツボ。]

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タチツボスミレ 2010.4.11. 岐阜県各務原市自然遺産の森



ときわ [た行]

  常磐、常盤、あるいは常葉の漢字があてられ、常緑であることを表す。常葉(とこは)は字面の通りだが、常磐(とこいわ)は岩のように不変の意であり、転じて年中葉が碧い松や杉を常磐木(ときわぎ)と呼ぶ。常盤が使われるのは音が同じという意味以上のものがあるのかよくわからない。書き間違いなのかも知れない。
  同じく常緑という意味をもつ植物和名の用語としては「かん(寒)」があるが、寒の場合は、常緑という意味の他に、寒い時期に花や実があるという意味でも使われている。
  環境庁の植物リストには、トキワが付く植物が14種記載されている。また、ムベの別名をトキワアケビということはよく知られている。落葉のアケビに対して、常緑であるからトキワアケビというわけである。また、アケビは実が熟すと開くので「開け実」から、ムベは熟しても開かないので「開かん実」からという。しかし、冬に実がなるムベに対し、秋に実のなるアケビは「秋ムベ」から来たという説もあり、こうなるとアケビが先かムベが先かわからなくなってしまう。

<トキワを名に持つ植物>
トキワトラノオ、トキワシダ、トキワイヌビワ、トキワイカリソウ、トキワマンサク、トキワヤブハギ、トキワカワゴケソウ、トキワバイカツツジ、トキワガキ、トキワカモメヅル、トキワハゼ、シロバナトキワハゼ、トキワサルトリイバラ、トキワススキ

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ムベ(トキワアケビ) 2010.5.10 愛知県瀬戸市海上の森

つりふね [た行]

   「つりふね」を名乗る植物は、ツリフネソウ科ツリフネソウ(Impatiens)属のツリフネソウ、キツリフネ、ハガクレツリフネの3種、そして、それらの変種あるいは品種のエンシュウツリフネソウ、ウスキツリフネ、コツリフネソウ、シロツリフネの7種がある。
   ツリフネソウの名の由来は、細い花柄にぶらさがって咲くその花の姿を、吊り下げて使うタイプの舟型の花器である「つりふね」に見立てたものである。
   「つりふね」の漢字表記は「吊舟(船)」あるいは「釣舟(船)」で、どちらも和歌や俳句に使われているのだが、どちらかといえば「釣」が多いようである。「釣る」は魚をつる、餌や金で誘惑してつるという意味合いなので、ぶら下げるの意味のつるなら「吊る」ということになるのだが、ことばは理屈ではないようだ。おかげで「つりふね」を魚釣りの人が乗っている釣り船(つりぶね)と勘違いして恥をかくことになる。
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キツリフネ 2011.6.25 大阪府和泉市

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花器「吊舟」

とらのお [た行]

 トラノオは、虎の尾の意味で、トラノオを名前に含む植物といえば、オカトラノオを思いつく。細長い円すい状の花序を虎のしっぽに見立てたと言われる。トラノオを名前に含む植物は、環境庁のリストには42種類記載されており、うち11種類はシダである。葉の形を虎のしっぽに見立てたようだ。本物の虎のしっぽに似ているかと言えば、写実的には否である。園芸植物ではハナトラノオがあるほか、リュウゼツラン科のサンセベリア(Sanseveria)が「虎の尾」と呼ばれる。

トラノオを名前に持つシダ:トラノオホングウシダ、ヒメイワトラノオ、トラノオシダ、イセサキトラノオ、ヤマドリトラノオ、ヌリトラノオ、シモツケヌリトラノオ、テンリュウヌリトラノオ、トキワトラノオ、イワトラノオ、ヤエヤマトラノオ

トラノオを名前に持つ顕花植物:ナンブトラノオ、イブキトラノオ、ハルトラノオ、ムカゴトラノオ、ノジトラノオ、トウサワトラノオ、オカトラノオ、ヌマトラノオ、サワトラノオ、イヌヌマトラノオ、ヤナギトラノオ、ミズトラノオ、トラノオジソ、ツクシトラノオ、キタダケトラノオ、エチゴトラノオ、シロバナエチゴトラノオ、シラゲエチゴトラノオ、エゾルリトラノオ、ヤマルリトラノオ、ビロ-ドトラノオ、ホソバヒメトラノオ、サンイントラノオ、ヤマトラノオ、シロバナヤマトラノオ、ヒメトラノオ、ケミヤマトラノオ、ハマトラノオ、ルリトラノオ、シロバナルリトラノオ、トラノオスズカケ

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写真:オカトラノオ 2009.7.12 岐阜県恵那市坂折棚田


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