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れんげ [ら行]

 「れんげ」は「蓮華」、つまりハスの花のこと。如来様や菩薩様の仏像は、ハスの花をかたどった「蓮華座(れんげざ)」に乗っている。一方、中華料理で使うスプーンを「れんげ」と呼ぶが、正確には「ちりれんげ(散り蓮華)」という。つまり、花から離れた一枚の花びらのこと。れんげが名に付く植物には、蓮華座タイプと散り蓮華タイプがあるようだ。
 オオヤマレンゲ、レンゲショウマは花が、ベンケイソウ科のイワレンゲ、ツメレンゲの仲間は葉が蓮華座タイプ、同じベンケイソウ科でもヒメレンゲは葉が、レンゲツツジの仲間も葉が散り蓮華タイプだ。キレンゲショウマ、コダチキレンゲショウマはレンゲショウマに似ているところからという。レンゲショウマにも、ハスにもあまり似ていないがあえて言えば花が蓮華座タイプ。例外はレンゲイワヤナギ、高山帯の岩礫地に生育するこの植物の名の由来は白馬岳の別名の蓮華山である。謎はレンゲソウだ。この花、古くはゲンゲと呼ばれ、今でも標準和名はゲンゲなのだが、ハチミツの影響かレンゲのほうが馴染みがよい。元々の名のゲンゲは、平安貴族が履いた沓(くつ)のことで、一つ一つの花の形が似ている。レンゲの方はと言えば、花がハスに似ているからと解説されることが多いが、個々の花が散り蓮華なのか、花が集まった花序が蓮華座なのかよくわからない。ゲンゲの音韻がレンゲとにているのが原因のような気もする。

<れんげが名に付く植物>
レンゲイワヤナギ、オオヤマレンゲ、レンゲショウマ、チャボツメレンゲ、イワレンゲ、コモチレンゲ、ツメレンゲ、アオノイワレンゲ、ヒメレンゲ、キレンゲショウマ、コダチキレンゲショウマ、レンゲツツジ、キレンゲツツジ、ウラジロレンゲツツジ、レンゲソウ(ゲンゲ)

レンゲツツジ140530古牧温泉(植栽).jpg
レンゲツツジ 2014.5.30古牧温泉(植栽)


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