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かさ [か行]

 傘と笠の違いはお解りだろうか。傘は頭上にかざすもので「さしがさ」ともいい、笠は頭にかぶるもので「かぶりがさ」ともいう。「米国の核のカサに守られていることをいいことに経済力をカサにきて・・・」とくればどっちがどっちか。
 植物の場合はというと判然としないものもあるが、まずは明快なところでカサスゲ、編笠の材料となる菅なので笠。ずばり編笠という名をもつものが、トウダイグサ科のアミガサギリで大きな葉の赤い葉脈が網目模様だから。同じトウダイグサ科だがエノキグサの別名をアミガサソウというのは花の下の苞葉が編笠の形に似ているから。ハナガサノキは花笠の木で赤い集合果を琉球舞踊の花笠にみたてたもの、山形の花笠まつりのものではない。
 一方、明快な傘といえば、地面から伸びた葉の形が柄の付いた傘のようなモミジガサ。若い開き切らない葉が破れた番傘のようで目玉を着ければ妖怪傘化けとなりそうなヤブレガサ。ヤブレガサを大型にしたようなものがタイミンガサで大明は中国の明国の意とされるがなぜかは不明。高さ1.5mともなるオオカサモチは太い茎のてっぺんに散形花序を広げた傘を持つ。湿地に咲くヒキノカサは長い花茎に付く花を蛙の傘にみたてたものである。
 さてここからが悩ましい。イワガサは岩場に生育するシモツケの仲間でコデマリやイブキシモツケのような半球上の散房花序を着け一見笠のようだが、裏から見ると放射状に骨が広がった傘そっくりである。ウメガサソウは梅に似た花を長い花茎の先に下向きに笠のように咲き始めるが、次第に横向きとなり、風にあおられておちょこになった傘のようである。最後はキヌガサソウ、現在は衣笠と表記されるが、これは奈良・平安の時代に高貴な方に従者がかざしたもので天蓋あるいは絹傘といい、現在の傘の原型とされるものである。
<どっちがどっち笠と傘>
【笠】アミガサギリ、キダチアミガサソウ、キ-ルアミガサギリ、アミガサソウ(別名:エノキグサ)、カサスゲ、アカンカサスゲ、アキカサスゲ、キンキカサスゲ、フクイカサスゲ、オオカサスゲ、カラフトカサスゲ、ハナガサノキ、ハハジマハナガサノキ、ムニンハナガサノキ。【傘】タイミンガサ、ニシノヤマタイミンガサ、ヤマタイミンガサオオモミジガサ、テバコモミジガサ、モミジガサ、タンバヤブレガサ、ヤブレガサ、ヤブレガサウラボシ、ヤブレガサモドキ、ヒキノカサ、オオカサモチ。【どっちでもいい】イヨノミツバイワガサ、イワガサ、コゴメイワガサ、ミツバイワガサ、ウメガサソウ、オオウメガサソウ、キヌガサソウ

ヤブレガサ202004519両仏山2.jpg
ヤブレガサ 2020.4.19 両佛山

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