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たばこ [た行]

 煙草(たばこ)の煙を吸引する吸いタバコは、すでにマヤ文明に存在していた。最初に煙草を見たヨーロッパ人は、1492年に西インド諸島に到達したコロンブスの一行であり、日本へはヨーロッパを経て、鉄砲伝来後(1543)の南蛮貿易で渡来した。だから「たばこ」はポルトガル語のtabacoからきた外来語である。煙草の原料となる栽培植物のタバコNicotiana tabacumは、ナス科タバコ属(Nicotiana)の一年草であり、栽培種の原種と考えられるものは南米に存在する。日本でのタバコ栽培は、江戸時代の初期から始まり、日本人の喫煙の習慣はまたたくまに全国に広がる。日本の野生植物で「たばこ」という名を持つものは、タバコの仲間ではなく、タバコに似た葉を持っているために付けられた。イワタバコ、ヤブタバコ、ヤマタバコと、これらの近縁種である。今では禁煙の勧めがとかくうるさいが、喫煙はひとつの文化を形成したともいえ、吸煙具の煙管(きせる)に因んだ名前を持つ植物としてガンクビソウやナンバンギセルなどがある。

<たばこを名に持つ植物>
イワタバコ、シロバナイワタバコ、ケイワタバコ、タイワンイワタバコ、ヤブタバコ、コヤブタバコ、ミヤマヤブタバコ、ヤマタバコ、ミチノクヤマタバコ

イワタバコ20120901赤目四十八滝.jpg
イワタバコ 2012.9.1 三重県名張市赤目四十八滝

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