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らしょうもん [ら行]

 羅生門(羅城門)は、平城京と平安京の南端に設けられた都の正門となる楼閣である。特定の建造物の名称が植物名に付くのはとてもめずらく、羅生門の他にはナデシコ科のセンノウ類の由来とされる仙翁寺(せんおうじ)ぐらいしか思いつかない。羅生門が名前に付く植物はラショウモンカズラ1種のみであるが、この羅生門が、平城京のものか平安京のものかというと、平安京ものと決まっている。なぜかと言えば、それは平安時代の中頃、羅生門に出没する茨木童子という鬼を、渡辺綱が退治するという説話がラショウモンカズラの名の由来となっているからである。説話の中では羅生門で渡辺綱が茨木童子の腕を切り落とすのだが、ラショウモンカズラの花がその腕に似ているという。まるで落語の考え落ちのような命名由来である。

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ラショウモンカズラ 2013.5.3 東京都八王子市


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