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で(て) [た行]

 カエデ、ヤツデ、イノデの「で」は「手」の意味である。
 Acer(カエデ)属の総称のカエデは、切れ込みのある掌状の葉の形を、蛙の手に見立てた「かえるで」が転訛したものとされる。「モミジ(紅葉)」が、葉の色から付いた名前であるのに対して、葉の形に由来する名前である。環境庁のリスト(1988)では、Acer属55種中30種にカエデが付き、モミジが付くのは8種しかない。カエデの一種にミツデカエデというものがある。この「ミツデ」は「三つ手」で葉が三出複葉であることによる。「ミツデ」は、ほかに葉が3裂しているもの(ミツデウラボシ、リュウキュウミツデウラボシ)や、葉が地表に三出するもの(ミツデヘラシダ)などに使われている。
 ウコギ科の低木のヤツデは「八つ手」であり、文字通りとらえれば葉が8裂するということになるが、実際は奇数になるので7裂か9裂になる。ヤツデ、リュウキュウヤツデ、ムニンヤツデのほか、キク科に葉の形が似ているクサヤツデがある。
 オシダ科のイノデは「猪の手」の意味で、褐色の鱗片に覆われた芽生えの状態からきたものだろう。イノデという名の付くシダ類は50数種を数える。
 これらの他に「手」と解釈されるものに、コノテガシワの「コノテ」がある。ヒノキ科のコノテガシワは、中国原産だが古い時代に渡来した樹木で庭木としてよく使われている。このコノテは「児の手」の意味で、垂直に広がる枝葉を子供が手のひらを立てたところに見立てたといわれる。

ヤツデ20120211堺.JPG
ヤツデ 2012.2.11 堺市
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