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せつぶん [さ行]

 「日本は四季に恵まれて」などは、ずいぶんと大雑把な言い方で、春夏秋冬の四季は、それぞれ6分されて立春から始まり大寒で終わる二十四節気となり、節気はさらに初候、次候、末候に分けられて七十二候となる。候の名称は実に細やかに季節の移ろいをとらえたもので、立春の初候は「東風凍を解く(とうふうこおりをとく)」だ。これらの季節の区分はもちろん旧暦に基づくもので、旧暦にはさらに季節の節目となる節句や節分、彼岸、八十八夜、入梅、土用など、雑節と呼ばれるものがある。
 植物の生活は季節の移ろいそのものだから、七十二候や雑節には植物に因んだものがあり、逆に暦に因んだ植物名もある。なかでもセツブンソウやヒガンバナはピンポイントでその時期に花を咲かせる暦に正確な植物だ。なお、節分は立春、立夏、立秋、立冬の前日を指すがもちろん植物名は春のこと、彼岸も春と秋があるが植物名は秋のことである。
 二十四節気のひとつ夏至の末候は「半夏生ず(はんげしょうず)」である。半夏はカラスビシャクの別名で、カラスビシャクが生える頃という訳だが、ハンゲショウという植物は別にある。ハンゲショウは「半夏生ず」の頃に開花し、同時に葉の半分が白く色づく、半夏生であり半化粧でもある。

セツブンソウ20160307米原(1).jpg
セツブンソウ 2016.3.7 米原市大久保



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