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はまでら [は行]

 外国産の植物なのに日本の地名が付く植物がある。お察しのとおり、外来植物に発見地の名前が付く場合で、ナルトサワギクの「鳴門」、シナガワハギの「品川」、ハマデラソウの「浜寺」がある。アリタソウの「有田」は駆虫薬(虫下し)となるこの草を栽培していた場所だという。徳島県鳴門町、東京都品川区、佐賀県有田町は現存するが、浜寺町は堺市に編入され現在は堺市西区の町丁にその名が残る。ハマデラソウは浜寺の海岸において牧野富太郎によって発見され命名される。浜寺とその近辺の海岸に広く分布していたようであるが、沿岸の開発により堺市からは消滅した。堺に由来する植物の消滅を惜しむ市民団体が、泉大津市で発見し繁殖に成功する。現在では浜寺公園の他、浜寺の名が付く小学校などで保護されている。ハマデラソウは外来植物なのに大切にされている不思議な植物である。

ハマデラソウ20220703浜寺公園.jpg
ハマデラソウ 2022.7.3 堺市浜寺公園
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べに [は行]

 紅色は赤の中でも鮮やかな色を指して使われるが、特定の1色というわけではなく、ある範囲の色を意味している。一般に色というのはそういう性格のものだと思うが、工業製品の規格となれば、それでは困るわけで、特定の色に限定されている。日本産業規格(JIS)では、紅色をマンセル表示で「3.5R 4/13」としており、パソコンの検索ボックスにこの色の16進のカラーコード「#B92946」を入力すると・・・、ほら鮮やかな赤が出て来たでしょう。この色はベニバナ染の濃染の色とされるが、ベニバナの花の色はオレンジ色である。「ベニバナ○○」という名前を持つ植物は18種を数えるが、この中で濃い赤と言えるのはベニバナイチゴぐらいで、多くはピンク色に近い色か一部に紅が入る程度である。花に限定せず「ベニ○○」というものに目を広げると・・・、いました。ベニシダの新葉は紅と呼ぶにふさわしい。
<紅をさす植物>
紅花:ベニバナヤマシャクヤク、ベニバナミヤマカタバミ、ベニバナヒメイワカガミ、ベニバナギンリョウソウ、ベニバナコバノイチヤクソウ、ベニバナイチヤクソウ、ベニバナマルバイチヤクソウ、ベニバナコメツツジ、ベニバナノツクバネウツギ、ベニバナスイカズラ、ベニハナヒョウタンボク、ベニバナハコネウツギ、ベニバナニシキウツギ、ベニバナボロギク、ベニバナタンポポ、ベニバナヘビイチゴ、ベニバナクロイチゴ、ベニバナイチゴ.その他:サイゴクベニシダ、ベニシダ、ミドリベニシダ、ホコザキベニシダ、マルバベニシダ、オオベニシダ、ホホベニオオベニシダ、ムニンベニシダ、チチジマベニシダ、ギフベニシダ、キノクニベニシダ、ミヤマベニシダ、タイトウベニシダ、ムラサキベニシダ、オワセベニシダ、ウスベニツメクサ、ベニコウホネ、エゾベニヒツジグサ、ウスベニアカショウマ、ベニガク、ベニシベウメバチソウ、オオベニイチヤクソウ、ベニサラサドウダン、ベニドウダン、ベニガクエゴノキ、ベニシオガマ、オオベニウツギ、ナンカイウスベニニガナ、ベニニガナ、ウスベニニガナ、ウスベニチチコグサ、ベニアマモ、ベニチカラシバ、ベニイトスゲ、ベニマメヅタラン、ベニシュスラン

ベニシダ20220504古ヶ丸山4.jpg
ベニシダ 2022.5.4 古ヶ丸山(三重県大台町)
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