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しょうま [さ行]

ショウマは升麻と書き、植物の根を乾燥させた生薬の名前である。この生薬となる植物がショウマで、何種類かある。Cimicifuga simplex(サラシナショウマ)からとれる升麻を黒升麻、同属のC. dahuricaのものは北升麻、C. heracleifoliaのものは関升麻と呼ぶそうである。
日本にはサラシナショウマが自生しているが、升麻にはならないショウマもたくさんあり、環境庁のリストには29種の記載がある。ショウマの大本はサラシナショウマで、似たものがショウマの名を付けて呼ばれるようになったと思われる。
サラシナショウマと同じキンポウゲ科には、ルイヨウショウマ、アカミノルイヨウショウマ、レンゲショウマ、オオバショウマ、キケンショウマ、イヌショウマの7種。
ユキノシタ科にはトリアシショウマのほか、ヤクシマショウマ、コヤクシマショウマ、アワモリショウマ、モミジバショウマ、シコクトリアシショウマ、ヒトツバショウマ、アカショウマ、ウスベニアカショウマ、バンダイショウマ、フジアカショウマ、ハチジョウショウマ、テリハアカショウマ、ツクシアカショウマ、ミカワショウマ、キレンゲショウマ、コダチキレンゲショウマの17種。
バラ科に、ヤマブキショウマほか、ミヤマヤマブキショウマ、シマヤマブキショウマ、アポイヤマブキショウマの4種。
そして、メギ科にトガクシショウマ1種。
基本的には花の形状がサラシナショウマに似ているが、レンゲショウマ、トガクシショウマの花はまったく異なり、葉の形状が似ているからということらしい。

サラシナショウマ20100821伊吹山.jpg

写真:サラシナショウマ 2010.8.21 滋賀県米原市伊吹山頂草原

とらのお [た行]

 トラノオは、虎の尾の意味で、トラノオを名前に含む植物といえば、オカトラノオを思いつく。細長い円すい状の花序を虎のしっぽに見立てたと言われる。トラノオを名前に含む植物は、環境庁のリストには42種類記載されており、うち11種類はシダである。葉の形を虎のしっぽに見立てたようだ。本物の虎のしっぽに似ているかと言えば、写実的には否である。園芸植物ではハナトラノオがあるほか、リュウゼツラン科のサンセベリア(Sanseveria)が「虎の尾」と呼ばれる。

トラノオを名前に持つシダ:トラノオホングウシダ、ヒメイワトラノオ、トラノオシダ、イセサキトラノオ、ヤマドリトラノオ、ヌリトラノオ、シモツケヌリトラノオ、テンリュウヌリトラノオ、トキワトラノオ、イワトラノオ、ヤエヤマトラノオ

トラノオを名前に持つ顕花植物:ナンブトラノオ、イブキトラノオ、ハルトラノオ、ムカゴトラノオ、ノジトラノオ、トウサワトラノオ、オカトラノオ、ヌマトラノオ、サワトラノオ、イヌヌマトラノオ、ヤナギトラノオ、ミズトラノオ、トラノオジソ、ツクシトラノオ、キタダケトラノオ、エチゴトラノオ、シロバナエチゴトラノオ、シラゲエチゴトラノオ、エゾルリトラノオ、ヤマルリトラノオ、ビロ-ドトラノオ、ホソバヒメトラノオ、サンイントラノオ、ヤマトラノオ、シロバナヤマトラノオ、ヒメトラノオ、ケミヤマトラノオ、ハマトラノオ、ルリトラノオ、シロバナルリトラノオ、トラノオスズカケ

オカトラノ20090712坂折.JPG
写真:オカトラノオ 2009.7.12 岐阜県恵那市坂折棚田


しで [さ行]

「しで」とは、神社でお目にかかる白い紙、玉串やしめ縄から垂れ下がるギザギザの紙のことで、「四手」あるいは「紙垂」の漢字をあてる。
環境庁の植物リストには、・・・シデというものが6種(ネコシデ、クマシデ、オオクマシデ、アカシデ、イヌシデ、イワシデ)、シデ・・・というものが3種(シデコブシ、シデシャジン、シデガヤツリ)記載されている。また、ザイフリボクの別名をシデザクラという。
・・・シデの名を持つ植物は、いずれもカバノキ科の樹木で、垂れ下がる花の形を四手に見立てたといわれるが、あまり似てはいない。なお、「しで」は、もともと「しず(垂ず)」で、「垂らす」の意である。
一方、シデコブシ、シデシャジン、シデザクラ(ザイフリボク)の花は、花びらの感じが四手によく似ている。色や大きさからすればシデコブシが一番か。
注:環境庁植物リスト1988、日本産維管束植物8,120種が記載されている。

シデコブシ20080405_海上_16.jpg
写真:シデコブシ 2008.4.5. 愛知県瀬戸市海上の森


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