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 [あ行]

「とらのお」の項で虎の尾を持つ植物が41種を数えることを紹介しているが、ここでは他の動物の尾を整理しておきたい。虎に次いで多いのは雉で12種、以下、鼠5、鯖3ときて、猿と猫と兔が各1である。雉の尾を持つのはキジノオシダとツルキジノオシダの仲間である。その葉の形は確かに雉の尾羽の模様の部分を切り出した形に似ている。イネ科のネズミノオは、細長い花穂にびっしりと着く花(小穂)がまったく横に広がらず棒状なので、確かに鼠の尾に例えるのが妥当と思える。サバノオはその花からは全く想像できない魚の尾ヒレのような実を着ける。マグロでもカツオでもよさそうだが、なぜ鯖なのかは不明。猿については沖縄にウスバサルノオ(別名ホザキサルノオ)というツル性の常緑樹が自生している。あるいはしていたらしい。沖縄県レッドリストではDD(情報不足)となっている。この樹木は東南アジアに広く分布し、和名はツルの形から来たものと想像する。猫にはミズネコノオがあり、これは同属のミズトラノオに比べ小さいことから付けられたもののようだ。イネ科のウサギノオは地中海産の園芸植物で、その花穂はフワフワとしてかわいい。なお、イヨカズラを別名スズメノオゴケといい、同属にミウラスズメノオゴケ(別名ムラサキスズメノオゴケ)があるが、これは「雀の尾苔」ではなく「雀の麻小笥」である。麻小笥(おごけ)とは、麻糸をいれるための円筒形の入れ物だが、現代でいう桶/麻笥(おけ)のことで、その実を雀が使う小さな桶に見立てたようである。

<虎以外の尻尾がある植物>
雉の尾:タカサゴキジノオ、オオキジノオ、キジノオシダ、リュウキュウキジノオ、ハガクレキジノオ、ヒメキジノオ、ヤクシマキジノオ、フタツキジノオ、アイキジノオ、コスギダニキジノオ、オキナワキジノオ、ツルキジノオ.鼠の尾:フタシベネズミノオ、ネズミノオ、リュウキュウネズミノオ、ムラサキネズミノオ、ヒメネズミノオ.鯖の尾:サバノオ、サイコクサバノオ、トウゴクサバノオ.猿の尾:ウスバサルノオ.猫の尾:ミズネコノオ.兔の尾:ウサギノオ.

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サイゴクサバノオ 花2021.4.10 実2021.5.3 金剛山
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