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つめ [た行]

  「ツメ」が付く植物は環境庁の植物リストには34種の記載がある。うち27種はツメクサという名前を持った植物である。ツメクサはナデシコ科の草本で、小さな細い葉が鳥の足爪のようである。ナデシコ科には他に22種のツメクサがあり、これらは皆「爪草」である。同じ理由でツメがついたと思われるものに、スベリヒユ科のケツメクサ(帰化)、ベンケイソウ科のアズマツメクサがあげられる。
  残る2種のツメクサは、クローバーと呼ばれるマメ科シャジクソウ(Trifolium)属のシロツメクサとムラサキツメクサ(アカツメクサ)、どちらも帰化植物である。シロツメクサは、江戸時代にオランダ国から徳川将軍に献上されたガラス製品の箱につめられていたという記録が残っている。ムラサキツメクも明治の初め頃に欧州からの貨物の包装材として渡来したといわれており、これらは「詰草」である。帰化植物の図鑑には、これらの他にも同属のクスダマツメクサ、コメツブツメクサ、ツメクサダマシ、ダンゴツメクサ、ベニバナツメクサ(クリムソンクローバー)が記載されており、詰め物としての実績は不明だがこれらは詰草である。
  爪草と詰草以外の「つめ」は何だろう。スミレの仲間のキバナのコマノツメは葉の形が馬の蹄に似ているから。タカノツメは湾曲する冬芽の形が鷹の爪のよう。タツノツメガヤの花はまさしく絵に描かれる龍の手に見える。多肉植物のツメレンゲの葉は何とは特定できないが獣の爪の形。カノツメソウは、未確認だが根の形が鹿の蹄に似ているとのこと。しかしオギノツメは何だろう。「荻の爪」と漢字では表記されるようだ。水辺の植物なのでオギとも混生すると思うが、オギと混じるとその葉が爪のように見えるのであろうか。

<名前にツメが付く植物(環境庁リスト1988)>
アポイツメクサ、キタノハマツメクサ、エゾタカネツメクサ、タカネツメクサ、ミヤマツメクサ、エゾミヤマツメクサ、ホソバツメクサ、イトツメクサ、ツメクサ、ハマツメクサ、エゾハマツメクサ、アライトツメクサ、チシマツメクサ、ノハラツメクサ、オオツメクサモドキ、オオツメクサ、ウシオツメクサ、ウスベニツメクサ、ナガバツメクサ、イワツメクサ、オオイワツメクサ、エゾイワツメクサ/ムラサキツメクサ、シロツメクサ/キバナノコマノツメ、アカイシキバナノコマノツメ/チャボツメレンゲ、ツメレンゲ、アズマツメクサ/ケツメクサ/タカノツメ/カノツメソウ/オギノツメ/タツノツメガヤ。
コメツブツメクサ070405可児市.JPG
コメツブツメクサ 2007.4.5 岐阜県可児市
ハマツメクサ080506羽豆岬.JPG
ハマツメクサ 2008.5.6 愛知県南知多町
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