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たびらこ [た行]

  標準和名としてタビラコという植物はないが、コオニタビラコ(キク科)とキュウリグサ(ムラサキ科)は、かつてはともにタビラコと呼ばれていた。しかし、同じ名前というわけにはいかないので、別の名で呼び分けられることになった。キク科にはこの他に~タビラコというものが4種あり、タビラコに対し大型のオニタビラコの名が生まれ、キュウリグサとの区別の関係からコオニタビラコという逆戻りの呼び名が生まれたようである。一方、キュウリグサはタビラコと縁が切れたが、同属のミズタビラコ、コシジタビラコにはその名が残っている。
  さて、この「たびらこ」だが、多くの図鑑では、「田平子」と表記して、田んぼや畔に平べったく生えているからと説明されている。コオニタビラコもキュウリグサも冬越しのロゼット葉を見ると確かに平たく地面に張り付いている。しかし、基本的にロゼットは平たいものだろう。さらに「子」は何かといえば、「どじょっこ、ふなっこ」の秋田訛りの「こ」であるという。秋田県出身の筆者としてはどうも納得がいかない。悩みながら両方のロゼットの写真を眺めていたら、葉のひとつひとつが、小さな魚に似ていることに気が付いた。そうだ、これはタビラの子だ。淡水魚タナゴの仲間にタビラとよばれる種群がある。タビラ(田平)は、その名の通り、田んぼ周辺に生息する平べったい魚で、成魚でも10cmほどの小魚である。「どじょっこ、ふなっこ、たびらっこ」、これなら秋田県民も納得である。

※「たびらこ」という植物
キク科:コオニタビラコ(別名:タビラコ)、ヤブタビラコ、オニヤブタビラコ、ヒメキクタビラコ、オニタビラコ.
ムラサキ科:キュウリグサ(別名:タビラコ)、ミズタビラコ、コシジタビラコ.

コオニタビラコ030406八菅山1.JPG
コオニタビラコ 2003.4.6 神奈川県八菅山

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