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はんかい [は行]

 ハンカイソウの樊噲は漢の高祖劉邦に仕えた武将。鴻門の地に置かれた項羽軍の陣中の宴において、剣舞に紛れて殺されそうな劉邦を救うため、宴に乱入し大杯の酒と生肉の塊をたいらげ、どさくさに紛れて劉邦が逃げ帰るという「鴻門之会」の逸話で知られる。高さ1mを超えるハンカイソウの勇壮な姿に重ねたという所だろう。もっともハンカイソウの属するメタカラコウ属の植物には、メタカラコウ、オタカラコウ、マルバダケブキなど1mを超えるものは他にもある。あえていうならハンカイソウの裂けた葉が丸い葉を持つ他の種に比べれば勇猛な感じがする。ハンカイソウに似ていて、葉が裂けないのがマルバダケブキだが、マルバダケブキの別名をマルバチョウリョウソウという。張良は劉邦の軍師で鴻門之会に同席している。ハンカイソウに似て葉っぱが割けないならばマルバハンカイソウとなるだろうになぜなのか。その答えらしきものが牧野図鑑にあった。葉の切れ込みが深いものをハンカイソウ、浅いものを変種ダケブキ(チョウリョウソウ)、さらに切れ込みがないものを変種マルバダケブキ(マルバチョウリョウソウ)と区別していたが、ダケブキ(チョウリョウソウ)はハンカイソウに統一され、マルバダケブキが別種として整理されたようである。分類の見直しの結果、名前の由来が分からなくなる例はほかにもあるが、張良の名が植物界から消えてしまうのは、「史記」のファンとしては少し寂しい。

ハンカイソウ20230609雲母橋登山口2.jpg
ハンカイソウ 2023.6.9 雲母橋登山口(四日市市)
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