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じょうろう [さ行]

 上臈(じょうろう)の臈は、僧侶の出家後の年数のことであり、上臈となれば修行を重ねた偉いお坊様のことをさすが、転じて身分の高い人を意味するようになる。大奥では、一番高位の御台所(将軍正室)付き奥女中の役職名が上臈御年寄である。徳川将軍は、3代家光以降、公家より正室を迎えており、上臈御年寄となるのは京都より御台所に随行してきた公家の娘であった。上臈杜鵑(ジョウロウホトトギス)、上臈蘭(ジョウロウラン)、上臈菅(ジョウロウスゲ)は、身分が高い雅な女性のイメージと結びついたものであろうか。1000人を超える大奥の女性の中に臈御御年寄はたったの3人、植物の上臈も皆、絶滅に瀕する少数派である。ちなみに植物で一番位が高いものと言えばイチイ(一位)の樹である。正か従かは定かでないが、いずれにしても太政大臣クラスである。皇帝ダリアの方が偉い? 外国人なので・・・。

<身分の高い植物の環境省RDBカテゴリ>
ジョウロウホトトギス(トサジョウロウホトトギス):Ⅱ、キイジョウロウホトトギス:Ⅱ、サガミジョウロウホトトギス:ⅠB、スルガジョウロウホトトギス:ⅠB、ジョウロウスゲ:Ⅱ、ジョウロウラン:ⅠA

キイジョウロウホトトギス20211010古座川町2.jpg
キイジョウロウホトトギス 2021.10.10 和歌山県古座川町
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うり [あ行]

 ウリ(瓜)といえば、マクワウリで、他にもハヤトウリ、キュウリ、ニガウリなど、ウリ科野菜の食用の実には瓜が付く。人が食べるには、ちょっとというウリ科の実ものに、カラスウリ、スズメウリがあり、誰も食べられそうにないトゲトゲの実はアレチウリである。ウリ科ではないが似た実をつけるのがウリクサで、ここまでは曲がりなりにもウリの(ような)実を着ける。さて問題はここからで、ウリノキは葉の形がウリに似ている。ウリカエデとウリハダカエデはともに樹皮にウリのような縞模様があるが、ウリに似た形の葉を着けるのはウリハダカエデの方なのでまぎらわしい。ウリカワは瓜皮の意で、その葉の様子はまるで瓜の皮を剥いて田んぼに捨てたように見える。最後はキュウリグサ、見た目どこにもキュウリを思わせるものはないのだが、葉を揉んで匂を嗅いでみるとその名の由来が分かる。
<食えない瓜たち>
ウリ科:カラスウリ、ケカラスウリ、キカラスウリ、ムニンカラスウリ、モミジカラスウリ、オオカラスウリ、リュウキュウカラスウリ、スズメウリ、クロミノスズメウリ、サンゴジュスズメウリ、ホコガタスズメウリ、サツマスズメウリ、オオスズメウリ、オキナワスズメウリ、アレチウリ(外来)、ミヤマニガウリ(外来).アゼナ科(旧ゴマノハグサ科):ウリクサ、シマウリクサ、シソバウリクサ、ケウリクサ、ツルウリクサ.ウリノキ科:ウリノキ、モミジウリノキ、ビロウドウリノキ、シマウリノキ.カエデ科:ウリカエデ、シマウリカエデ.オモダカ科:ウリカワ.ムラサキ科:キュウリグサ.

ウリカワ090823大垣.JPG
ウリカワ 2009.8.23 大垣市
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