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なるこ [な行]

 鳴子(なるこ)は、音を出して田んぼから鳥を追い払うための仕掛けで、神社に奉納する絵馬のような形の板の表面に、ひもで短い竹筒(あるいは棒状の板)を数本ぶら下げ、板と竹筒がぶつかると音が出るという仕組みのものである。お米が実る収穫期には、田んぼの周囲に張り巡らした縄に、いくつも鳴子をぶら下げ、日がな一日、縄の端を引いて雀を追い払う。かつての日本ではどこにでもあった光景なのであろう、鳴子は秋の季語であり、鳴子と稲田と雀がデザインされた模様は伝統的なもので帯や手ぬぐい、茶道具など様々なものに見ることができる。しかし、本物の鳴子は今や田んぼにはなく、わずかに観光施設の忍者屋敷でくせ者の侵入防止の仕掛けとして見られるぐらいである。
 植物では、ナルコユリ、ナルコスゲなどに鳴子の名が見られる。どちらも長い柄にぶら下がる花(花穂)をナルコの竹筒に見立てたものである。残念ながらゆらしても音はでない。
 「ちかづきの鳴子鳴らして通りけり(蕪村)」

<“なるこ”が付く植物>
ナルコユリ、ヒュウガナルコユリ、ホソバコナルコユリ、ミヤマナルコユリ、ヒメナルコユリ、オオナルコユリ、ナルコビエ、ナルコスゲ、アゼナルコ、イトナルコスゲ、アズマナルコ、タカネナルコ、ツクシナルコ、オニナルコスゲ

ナルコユリ20130601岩湧山..jpg
ナルコユリ 2013.6.1 岩湧山

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