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よしの [や行]

 奈良県吉野町の吉野山は誰もが知る桜の名所。そのご威光にあやかろうとしたのか、江戸の末期、江戸染井村の植木屋は新種の桜を「吉野桜」と称して売り出した。後のソメイヨシノである。栽培品種ソメイヨシノは、エドヒガンとオオシマザクラの交配種であることが、国立遺伝学研究所での交配実験により明らかにされており、ソメイヨシノと吉野山の桜には直接的な関係はない。「吉野」が名につく桜、イズヨシノ、アマギヨシノ、フナバラヨシノは交配実験から産出された栽培品種である。他にも「吉野」を名に持つ桜の栽培品種はあるが、いずれも吉野山との関係はない。野生種として「吉野」が名につく桜はなく、他の植物ではヨシノアザミとヨシノヤナギの2種がある。そして、この2種も吉野山とは無関係であり、その由来は発見者の吉野善介にちなんだものである。吉野善介は、岡山県上房郡本町(現:高梁市) の出身で、家業の薬種商の合間に植物を採集し、大正から昭和初期にかけ植物分類学に貢献した。「備中植物誌」(1929年)の著者である。(補)吉野杉は奈良県吉野地方に産する杉。植物名ではなく、材木のブランド。

<「よしの」が名につく植物>
ヨシノアザミ、ヨシノヤナギ

ヨシノアザミ20151105河内長.jpg
ヨシノアザミ 2015.11.5 大阪府河内長野市



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