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なんきん [な行]

  南京(なんきん)は中国の都市名である。長江下流域の中心都市として、いくつもの王国の首都となり、明代には北京に対して南京と名前が付けられる。長江に作られた南京港は、東アジアの貿易拠点となり、江戸時代に長崎に入港するオランダ船や中国船によって日本に持ち込まれた品々は、産出国がどこであれ、南蛮渡来か南京渡来ということになったのであろう。南京豆、南京玉、南京錠、南京袋、南京虫など様々な渡来物に南京が冠せられた。
  当時、日本では中国のことを、唐(とう、から、もろこし)と呼んでおり、唐を冠する物も当然ある。しかし、南京の方がエキゾチックな感じを実感できたのだろう。現代の国語学者は、物の名に付けられる南京の意味を、単に中国渡来のものという意味だけではなく、中国渡来の珍奇なもの、または小さく可愛らしいものと解釈している。
  南京が名に付く野生植物にナンキンナナカマドがある。日本自生の種であり、葉の小さなナナカマドの意味である。一方、街路樹などに使われるナンキンハゼは中国原産であり、貝原益軒の大和本草(1708)に「近年異邦より来る」との記載がある。木蠟採取を目的に持ち込まれたと思われるが、暖かい地方で紅葉が楽しめる数少ない樹木として、日本人に受け入れられたようである。

<南京を冠する植物>
ナンキンナナカマド、ナンキンナナカマドモドキ、ナンキンハゼ(外来)。

ナンキンハゼ111103堺市.JPG
ナンキンハゼ 2011.11.3 大阪府堺市(植栽)

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