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しし [さ行]

  古い日本語の「しし」は「肉」を意味し、食用とする獣肉が、いのしし(猪のしし)、かのしし(鹿のしし)であり、転じて、野生動物そのものを差すようになる。一方、ライオンの存在が中国を経て、聖獣となって日本へ伝わり、獅子(唐獅子)となる。
  「しし」が名前に着く植物には、シシランの仲間、シシガシラの仲間、シシウドの仲間がある。シシランは、岩肌から垂れ下がり叢生する細い葉を、ライオンの鬣に見立てたもので「獅子蘭」の意。シシガシラも同様に斜面に垂れ下がる輪生葉を鬣に見立て「獅子頭」。
  シシウドはイノシシが食べるに相応しいごついウドの意味で「猪独活」。実際、猪がこの根を掘り返して食べるという。もちろん、鹿が食べないわけがないので、「鹿独活」でもいいのかもしれないが、鹿をカノシシという習慣はすでにないので賛同はえられないだろう。
  なお、ヤブコウジ科の低木にシシアクチがあるが、そのシシの意味は不明である。

<名前に「しし」が着く植物>
猪:オオシシウド、シシウド、ミヤマシシウド、ケナシミヤマシシウド、エゾノシシウド。
獅子:ヒメシシラン、ムニンシシラン、シシラン、オオバシシラン、ナカミシシラン、イトシシラン、アマモシシラン、ミヤマシシガシラ、アオジクミヤマシシガシラ、シシガシラ、ヒメシシガシラ。
不明:シシアクチ。

シシガシラ20080501_海上_03.JPG
シシガシラ 2008.5.1. 愛知県瀬戸市海上の森
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