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からす [か行]

  カラスといえば野鳥のカラス(鴉、烏)で、植物名に付いた場合の意味は、おおむね、人には使えないが雀には大きすぎるという、機能&大きさの尺度になっている。その他にも鴉の羽のように色が黒いという意味もある。鴉がよく食べるという意味で付いたという説もあるが、これは少々あやしい。
  鴉と雀が両方存在する植物には、カラスノエンドウvsスズメノエンドウ、カラスノチャヒキvsスズメノチャヒキ、カラスウリvsスズメウリ、の3組がある。鴉と雀の名が同時に発生するとは考えづらいので、どちらかがあって、それに対してという順番があるはずである。さて、先に名が付いたのはどちらの野鳥だろう。
  カラスノエンドウは実が鴉のように黒いからカラスが付き、それに対して小さいのでスズメノエンドウができたと考えられるので、エンドウは鴉が先。ちなみに鴉と雀の中間としてカスマグサが3番手。
  スズメノチャヒキは在来種だが、カラスノチャヒキは大正時代に渡来した新参者なので、チャヒキは雀が先。なおス  ズメノチャヒキは、チャヒキグサ(カラスムギの別名)に対して名前が付いたという説があり鴉⇒雀⇒鴉となる。
  スズメウリに独自の由来が見つからないので鴉が先と思うが、カラスウリの由来には諸説ある。大言海の鴉が食べるからというのはあやしい説である。あれだけ目立っておいしそうなのに人が食べられないから「鴉」で十分説得力があると思うが、実の色からの「唐朱(中国製の朱墨)」説(中村浩、植物名の由来)も魅力的である。
  なお、カラスキバサンキライという植物がある。これは「鴉牙」ではなく「唐鋤葉」の意で、葉の形が牛に牽かせる農耕具の牛鍬(うしぐわ)とも呼ばれる唐鋤に似ているからである。

<カラスを名に持つ植物>
カラスノエンドウ、カラスザンショウ、トゲナシカラスザンショウ、ケカラスザンショウ、コカラスザンショウ、ヤクシマカラスザンショウ、カラスノゴマ、アオカラスノゴマ、カラスシキミ、ムニンカラスウリ、オオカラスウリ、カラスウリ、キカラスウリ、リュウキュウカラスウリ、モミジカラスウリ、ケカラスウリ、ミナトカラスムギ、カラスムギ、マカラスムギ、オニカラスムギ、カラスノチャヒキ、カラスビシャク

カラスビシャク20110910堺市.JPG
カラスビシャク 2011.9.10 堺市
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