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れだま [ら行]

  クサレダマというサクラソウ科の多年草がある。「腐れ玉」ではなく「草れだま」である。この「れだま」は、マメ科の低木のレダマSpartium junceumのことである。レダマはエニシダCytisus scopariusの近縁の植物であり、エニシダ類に共通する特徴(箒のように叢生する枝に黄色い花を付ける)を持っている。地中海地方の原産で、日本には江戸時代の初めに渡来し、スペイン語やポルトガル語でのエニシダ類の呼び名「Retama」が、「レダマ」として定着した。漢字で連玉あるいは麗玉と書く向きもあるが、全くの当て字である。
  レダマのスペイン語名は「Retama de olor」であり、Retama には箒という意味もあるので「匂いの箒」という意味合いになる。英名は「Spanish broom」で、「スペインの箒」というわけだ。Broomは箒の意に加え、エニシダの仲間の英名ともなっている。
 エニシダ類の英名としては、ラテン語由来の「genista」も使われる。これはスペイン語の「hienista」を経て日本に伝わり、和名エニシダの語源となった。
なお、ややこしい話だが、Genistaはヒトツバエニシダ(Genista)属のラテン名となっており、エニシダは別の属であるエニシダ(Cytisus)属に属している。また、レダマはレダマ(Spartium)属に属しており、RetamaはRetama属という別の属のラテン名となっている。
  話しを戻してクサレダマだが、レダマに似ている草なのでクサレダマとなったといわれるが、花の色が黄色いところしか似ていない。レダマ渡来以前の名はなんであったのだろうか。
[レダマ(外来種)、クサレダマ、ヒロハクサレダマ]

クサレダマ970812釜房湖.jpg
クサレダマ 1997.8.12. 宮城県釜房湖畔

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