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きつね [か行]

  狐と狸は化かしあいのいいライバルであるが、植物リストへの登場数を見てみると、キツネは基本となる7種とその変化形を合わせて22種。狸は同じく6種と22種であり、ここでもいい勝負となっている。
  植物名に動物名が付く場合は、植物と動物の姿形のどこかが似ている場合、擬人化して動物が使う小さな道具などにたとえる場合、そして特別な意味を持たせる場合(たとえば「役にたたない」という意味での犬など)がある。
  キツネの場合は、キツネヤナギ、キツネガヤが類似派、キツネノボタン(釦)、キツネノカミソリ(剃刀)が擬人派となる。タヌキではどうかというと、タヌキマメ、タヌキコマツナギ、タヌキモ、タヌキアヤメ、タヌキランが類似派、タヌキノショクダイ(燭台)が擬人派となる。
  残っているキツネノマゴ、キツネアザミ、キツネタンポポは何かというと、まやかし派かもしれない。キツネノマゴは「狐の孫」と読んで「小さい小さい狐の尻尾の花」と解釈したいが、今のところ由来に定説はない。困ったことに最近のネット上では、キツネノゴマ(胡麻)に化けていることが多い。キツネアザミは「狐の眉掃き(眉に着いた白粉を掃い落す刷毛)」という別名がある擬人派なのだが、アザミに似ているがアザミではなく、化かされたようだと牧野図鑑にはある。そしてキツネタンポポはというと図鑑に姿がない。大井次三郎の日本植物誌顕花編に「花茎は・・・著しき毛あり、」との記述があり、類似派だろうと思われるが、今時、誰のカメラの前にも現れぬとは見事な化けっぷりだ。

<狐一族>
キツネヤナギ、サイコクキツネヤナギ、カンサイキツネヤナギ、シバキツネヤナギ、ミヤマキツネヤナギ、ミチノクキツネヤナギ。キツネノボタン、ケキツネノボタン、コキツネノボタン、ツルキツネノボタン、トゲミノキツネノボタン、シマキツネノボタン、ヒメキツネノボタン。キツネノマゴ、シロバナキツネノマゴ、キツネノヒマゴ。キツネアザミ、エゾノキツネアザミ。キツネタンポポキツネノカミソリ、オオキツネノカミソリ。キツネガヤ

<狸一族>
タヌキマメ、ヤエヤマタヌキマメ、エダウチタヌキマメ。タヌキコマツナギタヌキモ、ノタヌキモ、モンナシノタヌキモ、フサタヌキモ、ミカワタヌキモ、コタヌキモ、ヒメタヌキモ、ヤチマタヌキモ、イヌタヌキモ。タヌキノショクダイ、キリシマタヌキノショヨクダイ。タヌキアヤメタヌキラン、ヤマタヌキラン、コタヌキラン、シマタヌキラン、オオタヌキラン。

キツネアザミ080504_八曽山_052.JPG
キツネアザミ 2008.5.4 愛知県犬山市八曽山




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