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にんじん [な行]

  ニンジンといえば今では野菜の人参(セリ科)のことであり、生薬の人参は朝鮮人参あるいは高麗人参と呼ぶのが普通と思うが、もともと人参といえば生薬の方である。生薬人参は、ウコギ科の多年草Panax ginseng(和名:オタネニンジン)の根であり、その形が人体に似ているのが名の由来という。オタネニンジンは御種人参と書き、徳川吉宗の頃、幕府が国産人参の栽培を奨励し、人参の種子を各藩に分け与えたことによる。
  一方、野菜の人参は1600年代に日本に渡来したとされ、生薬の人参と区別するため芹人参と呼ばれた。今では単に人参といえば野菜と立場が逆転した。
  「○○ニンジン」という植物は数多い。根あるいは花・葉が人参に似ているために着けられた名前と思うが、はてさて、生薬の人参に似ているのか、野菜の人参に似ているのかわからない。なお、オタネニンジンと同じウコギ科のトチバニンジンは、日本薬局方に記載される生薬竹節人参(チクセツニンジン)の基原植物である。

<にんじんを名乗る植物>
アブラナ科:ジャニンジン、エゾノジャニンジン。アマ科:マツバニンジン、キバナノマツバニンジン(帰化)、ウコギ科:トチバニンジン。セリ科:イワニンジン、ウバタケニンジン、オオウバタケニンジン、カラフトニンジン、オナガヤブニンジン、ヤブニンジン、ミヤマニンジン、シムラニンジン、ムカゴニンジン、シラネニンジン。キキョウ科:マルバノニンジン、ツリガネニンジン、ハイツリガネニンジン、ツルニンジン、ミドリツルニンジン、シブカワニンジン。キク科:クソニンジン、カワラニンジン。

ツリガネニンジン20100821_伊.jpg
ツリガネニンジン 2010.8.21 伊吹山


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