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はぐま [は行]

 「はぐま」は、チベットからヒマラヤの高地に生息する牛の仲間である「ヤク」のしっぽの毛のことである。ヤクは古くから家畜化され、乳や毛が利用されてきた。日本では仏具の払子(ほっす)の他、槍や兜の飾りとしてヤクの尾毛が好んで用いられた。戊辰戦争の際の官軍の被り物(毛付き陣笠)は、徳川家が江戸城に残していった品で作られたものであり、土佐藩は赤く染めた「しゃぐま(赤熊)」、薩摩藩は黒く染めた「こぐま(黒熊)」、そして長州藩が白色の「はぐま(白熊)」を着用した。植物のハグマはキク科に14種あり、その花の形を毛槍に見立てたものと思われる。毛槍は大名行列の先頭で奴さんが担いでいる先端に毛玉の飾りが着いた槍で、毛玉は鳥の羽やヤクの尾毛で作られた。植物のハグマの花は、毛槍を回転させ、飾りが放射状に開いた状態をイメージさせる。本来は白いヤクの毛で作られた毛槍を「はぐま」と呼んだのだろうが、現在、各地の祭りなどに登場する「はぐま」は、毛色の黒いものもあり、漢字も「羽熊」をあてるところがあり、少々ややこしい。

<はぐまを名のる植物>
モミジハグマ、オクモミジハグマ、キッコウハグマ、リュウキュウハグマ、エンシュウハグマ、ホソバハグマ、ツルハグマ、カコマハグマ、センダイハグマ、クルマバハグマ、カシワバハグマ、ツクシカシワバハグマ、イワキハグマ、オヤマハグマ

カシワバハグマ20140911和泉葛城山.jpg
カシワバハグマ 2014.9.11 和泉葛城山


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