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れんり [ら行]

 京都の貴船神社に、杉と楓が合着した『連理の杉』なる御神木がある。「連理」の字義は、(別々の樹木の)木目が合わさるという意味だが、転じて仲睦まじい夫婦のたとえとして使われている。縁結びのパワースポットとして知られる貴船神社に相応しい御神木というわけである。同じく夫婦仲が良いという意味で使われる言葉に「比翼」がある。一つの眼と一つの翼しか持たない伝説上の鳥である「比翼の鳥」は、雄と雌が力を合わせなければ飛ぶことができないことから生まれた意味である。この二つの言葉は合わせて「比翼連理」という四文字熟語として使われることも多いが、その由来は、白居易の長恨歌の次の一節で、玄宗皇帝が最愛の楊貴妃に語る科白である。
   在天 願作 比翼鳥 (天にあっては願わくは比翼の鳥となり)
   在地 願為 連理枝 (地にあっては願わくは連理の枝とならん)
 さて、連理を名に持つ植物にレンリソウ(連理草)がある。図鑑には「対生する葉を仲の良い夫婦にたとえ」というような解説が見られるが、対となる葉の大きさが違うなら、夫婦茶碗のようにたとえようがある。しかし、同じ大きさの葉が対になっているこの草には不自然である。むしろ対生する細長い葉は鳥の翼のように見え、比翼の鳥にたとえる方が自然に思える。元々は、比翼連理草であったものが言いやすい連理草になったか、あるいは、おっちょこちょいの学者が比翼と連理を取り違えたのか、想像が膨らんでしまう。ただし、ヒヨクソウ(比翼草)の名は、別の草に使われており、対生する葉の葉腋から2本の花序を出すこの草は、雌雄2羽の比翼の鳥が合体し、2本の首をそろえて飛ぶ姿に見える。

<連理の付く植物> レンリソウ、エゾノレンリソウ、キバナノレンリソウ

レンリソウ20140517木津川.jpg
レンリソウ 2014.5.17 京都府木津川市
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