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みやこ [ま行]

 日本の都は、過去、何か所も移り変わってきたが、単に「都」といえば、それは京都を意味すると考えるのが普通と思う。植物名に地名が付けば、それは普通、発見された場所や生育分布を表している。「都」が名前に付く植物として基本となるものは15種ほどあげられる。京都には、まちがいなくそれらが生育しているが、京都以外にも広く分布している種が多い。少なくとも近畿一円が生育地となっており、「都」が名前に付くからといって京都の植物とは判じがたい。ならば京都で発見されたかといえば、確かに京都で採取されたものがタイプ標本となっているものが多いようだ。広く分布している植物なら、どこでも採取できるわけだが、京都で採取され、「ミヤコ・・・」と命名されるのは、京都大学の研究者が植物分類研究をリードしてきたからだろう。ミヤコオトギリの学名はHypericum kinashianum Koidz.であり、命名者の略記Koidz.は、京都大学理学部に植物学教室を創設した小泉源一(1883~1953)のことである。植物学研究室からは著名な植物学者が輩出され、ミヤコヤブソテツ(Cyrtomium yamamotoi Tagawa)のTagawaはシダ分類学の田川基二(1908~1977)、ミヤコミズ(Pilea kiotensis Ohwi)のOhwiは「日本植物誌」の著者として知られる大井次三郎のことである。

<都を名に持つ植物>
ミヤコヤブソテツ、ミヤコカナワラビ、ミヤコイヌワラビ、ミヤコヤナギ、ミヤコミズ、ミヤコアオイ、ミヤコオトギリ、ミヤコイバラ、ミヤコグサとその仲間(シロバナミヤコグサ)、ミヤコツツジ、ミヤコナツハゼ、ミヤコアザミ、ビロードミヤコザサ、ミヤコザサとその仲間(アズマミヤコザサ、フシゲミヤコザサ、ナンダイミヤコザサ、ケミヤコザサ、ビッチュウミヤコザサ)、ミヤコダラ(環境省リストでは沖縄地方に生育するリュウキュウハリギリを指しているが、もともとは日本全国に分布するハリギリの別名)

ミヤコグサ20130428和歌山県岩出市根来寺.JPG
ミヤコグサ 2013.4.28 和歌山県岩出市根来寺
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