SSブログ

びわ [は行]

  バラ科のビワは、日本に自生していた可能性もあるが、栽培される種は奈良時代に中国から渡来した。現在、山野に見られるものは渡来ものが野生化したものだろう。漢字では「枇杷」と書き、漢名がそのまま使われている。その名の由来は楽器の「琵琶」に葉の形が似ているからと、北宋時代の本草書「本草衍義」に記載がある*。楽器の琵琶も奈良時代に渡来したという。ちなみに湖の琵琶湖もその形が楽器の琵琶に似ているからという。だが琵琶湖を一望できる山などありはしない。測量地図が描かれた江戸時代の命名らしい。
  さて、枇杷は、実が食用に、葉は生薬となる有用植物である。実の形も葉の形も特徴的であり、似ている故にビワの名をいただいた植物がある。葉が似ているものとしては、クスノキ科のハマビワ、アワブキ科のヤマビワ、イワタバコ科のミズビワソウ、ヤマビワソウがある。実が似ているとされるのはクワ科のイヌビワとその近縁種が多数あるが、これらはイチジクの仲間でその実はむしろイチジクに似ている。

<「びわ」の名をいただいた植物>
バラ科:ビワ/クワ科:イヌビワ(ホソバムクイヌビワ、アカメイヌビワ、トキワイヌビワ、ホソバイヌビワ、ケイヌビワ、ムクイヌビワ、オオバイヌビワ、ギランイヌビワ、ハマイヌビワ)/クスノキ科:ハマビワ/アワブキ科:ヤマビワ/イワタバコ科:ミズビワソウ、ヤマビワソウ(キレバヤマビワソウ、タマザキヤマビワソウ)

*「植物和名の語源」、深津正、八坂書房.

イヌビワ111029堺市.JPG
イヌビワ 2011.10.29 堺市
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

くりんふらさば ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。